SnowPeak Titanium Skittle S size
2010.6.5更新
 スノーピーク(snowpeak)のチタン製スキットル、チタンスキットルSの紹介です。
 スノーピークは、質実剛健で知られる日本のキャンプ・フィッシングメーカーで、チタンを用いたクッカーやカラトリーも得意としています。 ここで紹介するチタンスキットルは、スノーピークのチタン製品でも古参で、製品自体は何年も前から変わらない定着した商品です。
 最大の特徴は、やはりチタン(チタニウム)製であること。結論から言って、チタンは最もスキットルに適した素材なのです。 ピューターやステンレス製のスキットルに対してチタンは、軽く、頑丈で、安全かつ無臭で錆びない、 スキットルなら『一生モノ』と断言できるものです。
<テクニカル・データ>
スノーピーク チタンスキットルS T-011
( )     項目  実測値
(A)  キャップを含む高さ  97.3mm
(B)  注ぎ口までの高さ  93.0mm
(C)  注ぎ口を除く高さ  81.5mm
(D)  胴体の横幅(最大部)  73.3mm
(E)  胴体の厚さ(弧の中央から端の反対側まで)  26.4mm
(F)  胴体の厚さ(中央部)  22.8mm
(G)  注ぎ口の外径(ネジ山を含む)  13.8mm
(H)  注ぎ口の内径  10.1mm
(I)  キャップの太さ  16.1mm
(J)  キャップの高さ  12.7mm
( ) 製品の重さ(胴体とキャップ)  62g
( ) 容量  108ml
( ) 構成パーツ数  3点

登山装備の軽量化の観点から

 登山装備を軽くするという趣旨からだと、正直言って軽量化を度外視した装備です。 いくらチタン製で軽いとはいえ、同容量のペットボトル(110ml)は27g。 チタンスキットルは、実に2倍以上も重いのです。 つまり、『カッコつけ』以外のなんでもないのです。ただ、これで洋酒を飲むのは最高に様になります(と思う)。 もちろんツマミは、行動食のナッツ類!
 軽量化を突き進めるという登山スタンスでも、こういう「お遊び」ってけっこう大事だと思います。

ギフトとして使えるパッケージデザイン

 チタンスキットルは、スノーピークでは珍しくギフト風のBOXに入っています。 アウトドアグッズは、箱で売られていることは稀。大概は「そのまま」か、プラ板で挟んだだけパッケージです。 逆に箱に入っているのはナイフ類。ビクトリノックス、バック、レザーマンは皆小さな箱に入っています。 これらはプレゼントを意識した製品なわけで、このチタンスキットルも例外ではありません。
 完全な化粧箱ではなく、ボール紙を箱に仕立てただけですが、包装してプレゼントするには十分です。 箱を開けると、スキットルとロートがセットされています。そして、敷き台座の下にケースが入っています。 台座に設けられた窓からケースの存在をチラ見させるのが、ちょっとニクイですね。

付属品:ロートとケース

 チタンスキットル本体以外には、プラスチックのロートシンセティックレザーのケースが付属しています。 説明書などは入っていません。取扱上の注意はパッケージの裏に書かれています。
 プラスチック製のロートは、小さすぎて注ぎにくいです。しかも、溢れさせること必至です。 どうしても満タンにしてキャンプに行きたい人は、このロートを使った上で、一度注ぎ口の付いた小さい容器に洋酒を移して、少しずつ入れることをオススメします。
ロートの大きさ:高さ28mm×φ27mm、重さ:2g

 シンセティックレザーのケースも付属します。シンセティックレザーってなに?要は「合皮」です。カタカナにして気取っただけです。 この手のケースにしては、なかなか作りがしっかりしていて、配色やデザインもよいスタッフバッグ(巾着袋)です。 袋の内側はすべて合皮で、スキットル本体をキズから守り、汚れを拭き取ることができます。
ケースの大きさ:外側の横90mm×縦120mm、重さ:7g

職人の手磨きによるつや消し処理

 さてチタンスキットル本体を見ていきましょう。
 本体は、もちろんチタニウム製。そして表面処理は、お馴染みのつや消し(サテン)加工です。 「チタン=サテン」といっても過言ではないくらい、チタンで鏡面処理(ポリッシュ)加工をした製品は少ないです。
 ちなみにサテン加工は、ポリッシュに比べて光の反射が少なく眩しくない表面積が大きく錆びやすいキズやヘコミが目立ちにくいという特徴があります。 ツールナイフのステンレスブレードにポリッシュが多いのは、そうすることで錆びにくくなるからです。 しかしチタンは、錆びないため、 アウトドア向きの「機能」である眩しくない・キズやヘコミが目立たないサテン処理が選べるのです。

 そしてスノーピークに問い合わせたところ、このつや消し加工は、なんと『手磨き』によるものです。 別にヘアライン加工でもないマットなサテン加工ですが、スノーピークの他のチタン製品、チタンマグやクッカーと比べて、表面に味わいがあるのは このためなのです。(値段が高いのも、このため?)

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バレル加工による鏡面仕上げ

 今度はキャップを見てみましょう。
 先ほど「チタン=サテン」といいましたが、このキャップはポリッシュ(鏡面)仕上げです。実に珍しいです。 本体のサテンと相まって、この製品のよいアクセントになっています。
 スノーピークに聞くと、『キャップはそれほどキズが目立たないため ワンポイントとしてバレル研磨のポリッシュ仕上げを選んだ』とのこと。 ポリッシュ仕上げなので、ひょっとしてステンレス?と疑ってみましたが、やはりチタン製です。

 キャップの内側には、パッキンがはめ込まれています。この製品で唯一、チタン製ではない部分です。材質はウレタン樹脂。 耐熱性は高いですが、耐酸性・耐塩基性は高くないため、薬品は入れられません。…は冗談ですが、ポリウレタンは紫外線などで経年劣化するので、 水漏れが生じたら交換の必要があります。材質としてはポピュラーなので、大きさと厚さが合うものを交換すれば一生使えます

 右下の写真は、スキットル本体からキャップを外したところです。当然ですがバリとかは一切ありません。
細かく、見事なほどキレイなカットです。 チタンは、加工に高い技術を要する金属素材なので、スノーピークの技術の高さが伺えます。アウトドア用品で、チタンにネジ加工を施しているのは、恐らくスノーピークだけでしょう。 憶測ですが、このチタンスキットルで最もコストが掛かっているのも、キャップと注ぎ口の部分です。

シルクスクリーンの"snowpeak"ロゴマーク

 チタンスキットル本体の下方には、スノーピークのロゴマーク(* snowpeak)があります。 ここはシルクスクリーン印刷(Wikiへ)です。 さすがに印刷の強度は分かりませんが、レーザー刻印ではないため、強く擦ったりすると剥げてしまうことも考えられます。 カーブしている部分なので打刻できないのは仕方ないですが、ちょっと残念です。
 チタンのサテングレーに、同系色のダークグレーで印刷されているので、非常に控えめなロゴです。 メーカーにしてみれば最も目立たせなければならない部分でしょうに。まぁ、「チタン製のスキットル」という時点で他メーカーの追従を許さないので、 チタン製スキットルを見ればスノーピークとだと分かりますが。


底面の"titanimum"ロゴと"MADE IN JAPAN"

 チタンスキットル本体の底面には、スノーピークの他のチタン製品にも書かれている「titanium」ロゴマークと、「MADE IN JAPAN」の文字が、 底面に打刻されているように凹んでいます。文字の周囲は完全な平面なので、ロゴや文字を打ったというよりは、この型に溶かしたチタンを流し込んだのでしょう。 シルクスクリーンのメーカーロゴとは違って、こちらは、まず剥げたり消えたりすることは考えられません。 若干失礼な話ですが、例えスノーピークが倒産しようが、 このチタンスキットルがスキットルである限り、チタン製で日本製であることは誇示し続けるわけです。つまり、外国の方にプレゼントするにもうってつけです。

 なお底面は、ほぼ真っ平らです。それでも、しっかり直立して、ガタつきはありません。 スキットルというより容器としての基本ですが、やはりしっかりしています。

ついでに

 スノーピークの商品は、もちろんチタンスキットルも、意外と知られていませんが、『永久保障』です。 どんなに長く使い込んでいても、製造上の欠陥で生じたものなら、無償で修理してくれます。
 技術力の高さの証であるMADE IN JAPAN。そしてチタン製。
 一生の相棒というのに相応しい酒瓶を、あなたもいかがですか。



 あと、正に蛇足ですが、私の飲んでいる、チタンスキットルに入れて持っていく洋酒を紹介します。
 『ウシュクベ リザーブ』です。売っているところを探すのが大変。福島駅の酒屋で出会ってから、ウイスキーはずっとこれだけ。 所謂シングルモルトではなく、ブレンデッド スコッチウイスキーです。味に対するコストパフォーマンスは最高だと思います。 特にビンごと冷凍庫に入れて、さらにオンザロックで飲むのがオススメです。氷の表面を波立って落ちていくオイリー加減は感涙モノです。3,000円くらい。

◆参照・引用(五十音順)
 ・スノーピーク オフィシャルウェブサイト
  http://www.snowpeak.co.jp/index.html
 ・スノーピーク ユーザーサービス課
  〒955-8616 新潟県三条市三貫地958 TEL : 0256-38-1110

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