スノーピーク(snowpeak)のチタン製スキットル、チタンスキットルSの紹介です。
スノーピークは、質実剛健で知られる日本のキャンプ・フィッシングメーカーで、チタンを用いたクッカーやカラトリーも得意としています。
ここで紹介する
チタンスキットルは、スノーピークのチタン製品でも古参で、製品自体は何年も前から変わらない定着した商品です。
最大の特徴は、やはり
チタン(チタニウム)製であること。結論から言って、
チタンは最もスキットルに適した素材なのです。
ピューターやステンレス製のスキットルに対して
チタンは、
軽く、頑丈で、安全かつ無臭で錆びない、
スキットルなら『
一生モノ』と断言できるものです。
<テクニカル・データ>
スノーピーク チタンスキットルS T-011
( ) | 項目 | 実測値 |
(A) | キャップを含む高さ | 97.3mm |
(B) | 注ぎ口までの高さ | 93.0mm |
(C) | 注ぎ口を除く高さ | 81.5mm |
(D) | 胴体の横幅(最大部) | 73.3mm |
(E) | 胴体の厚さ(弧の中央から端の反対側まで) | 26.4mm |
(F) | 胴体の厚さ(中央部) | 22.8mm |
(G) | 注ぎ口の外径(ネジ山を含む) | 13.8mm |
(H) | 注ぎ口の内径 | 10.1mm |
(I) | キャップの太さ | 16.1mm |
(J) | キャップの高さ | 12.7mm |
( ) | 製品の重さ(胴体とキャップ) | 62g |
( ) | 容量 | 108ml |
( ) | 構成パーツ数 | 3点 |
登山装備の軽量化の観点から
登山装備を軽くするという趣旨からだと、正直言って軽量化を度外視した装備です。
いくらチタン製で軽いとはいえ、同容量のペットボトル(110ml)は27g。
チタンスキットルは、実に2倍以上も重いのです。
つまり、『カッコつけ』以外のなんでもないのです。ただ、これで洋酒を飲むのは最高に様になります(と思う)。
もちろんツマミは、行動食のナッツ類!
軽量化を突き進めるという登山スタンスでも、こういう「お遊び」ってけっこう大事だと思います。
ギフトとして使えるパッケージデザイン
チタンスキットルは、スノーピークでは珍しくギフト風のBOXに入っています。
アウトドアグッズは、箱で売られていることは稀。大概は「そのまま」か、プラ板で挟んだだけパッケージです。
逆に箱に入っているのはナイフ類。ビクトリノックス、バック、レザーマンは皆小さな箱に入っています。
これらはプレゼントを意識した製品なわけで、このチタンスキットルも例外ではありません。
完全な化粧箱ではなく、ボール紙を箱に仕立てただけですが、包装してプレゼントするには十分です。
箱を開けると、スキットルとロートがセットされています。そして、敷き台座の下にケースが入っています。
台座に設けられた窓からケースの存在をチラ見させるのが、ちょっとニクイですね。
付属品:ロートとケース
チタンスキットル本体以外には、プラスチックのロートとシンセティックレザーのケースが付属しています。
説明書などは入っていません。取扱上の注意はパッケージの裏に書かれています。
プラスチック製のロートは、小さすぎて注ぎにくいです。しかも、溢れさせること必至です。
どうしても満タンにしてキャンプに行きたい人は、このロートを使った上で、一度注ぎ口の付いた小さい容器に洋酒を移して、少しずつ入れることをオススメします。
ロートの大きさ:高さ28mm×φ27mm、重さ:2g
シンセティックレザーのケースも付属します。シンセティックレザーってなに?要は「合皮」です。カタカナにして気取っただけです。
この手のケースにしては、なかなか作りがしっかりしていて、配色やデザインもよいスタッフバッグ(巾着袋)です。
袋の内側はすべて合皮で、スキットル本体をキズから守り、汚れを拭き取ることができます。
ケースの大きさ:外側の横90mm×縦120mm、重さ:7g
職人の手磨きによるつや消し処理
さてチタンスキットル本体を見ていきましょう。
本体は、もちろん
チタニウム製。そして表面処理は、お馴染みの
つや消し(サテン)加工です。
「
チタン=サテン」といっても過言ではないくらい、チタンで鏡面処理(ポリッシュ)加工をした製品は少ないです。
ちなみにサテン加工は、ポリッシュに比べて
光の反射が少なく眩しくない・
表面積が大きく錆びやすい・
キズやヘコミが目立ちにくいという特徴があります。
ツールナイフのステンレスブレードにポリッシュが多いのは、そうすることで錆びにくくなるからです。
しかし
チタンは、錆びないため、
アウトドア向きの「
機能」である眩しくない・キズやヘコミが目立たないサテン処理が選べるのです。
そしてスノーピークに問い合わせたところ、
このつや消し加工は、なんと『手磨き』によるものです。
別にヘアライン加工でもないマットなサテン加工ですが、スノーピークの他のチタン製品、チタンマグやクッカーと比べて、
表面に味わいがあるのは
このためなのです。(
値段が高いのも、このため?)
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バレル加工による鏡面仕上げ
今度はキャップを見てみましょう。
先ほど「チタン=サテン」といいましたが、この
キャップはポリッシュ(鏡面)仕上げです。実に珍しいです。
本体のサテンと相まって、この製品の
よいアクセントになっています。
スノーピークに聞くと、『キャップはそれほどキズが目立たないため
ワンポイントとして
バレル研磨のポリッシュ仕上げを選んだ』とのこと。
ポリッシュ仕上げなので、
ひょっとしてステンレス?と疑ってみましたが、やはり
チタン製です。
キャップの内側には、
パッキンがはめ込まれています。この製品で唯一、チタン製ではない部分です。材質は
ウレタン樹脂。
耐熱性は高いですが、耐酸性・耐塩基性は高くないため、薬品は入れられません。…は冗談ですが、ポリウレタンは紫外線などで
経年劣化するので、
水漏れが生じたら交換の必要があります。材質としてはポピュラーなので、大きさと厚さが合うものを交換すれば
一生使えます。
右下の写真は、スキットル本体から
キャップを外したところです。当然ですがバリとかは一切ありません。
細かく、見事なほどキレイなカットです。
チタンは、加工に高い技術を要する金属素材なので、スノーピークの技術の高さが伺えます。アウトドア用品で、
チタンにネジ加工を施しているのは、恐らくスノーピークだけでしょう。
憶測ですが、このチタンスキットルで最もコストが掛かっているのも、キャップと注ぎ口の部分です。
シルクスクリーンの"snowpeak"ロゴマーク
チタンスキットル本体の下方には、スノーピークのロゴマーク(* snowpeak)があります。
ここは
シルクスクリーン印刷(
Wikiへ)です。
さすがに印刷の強度は分かりませんが、
レーザー刻印ではないため、強く擦ったりすると剥げてしまうことも考えられます。
カーブしている部分なので打刻できないのは仕方ないですが、ちょっと残念です。
チタンのサテングレーに、同系色のダークグレーで印刷されているので、非常に控えめなロゴです。
メーカーにしてみれば最も目立たせなければならない部分でしょうに。まぁ、「チタン製のスキットル」という時点で
他メーカーの追従を許さないので、
チタン製スキットルを見ればスノーピークとだと分かりますが。
底面の"titanimum"ロゴと"MADE IN JAPAN"
チタンスキットル本体の底面には、スノーピークの他のチタン製品にも書かれている「titanium」ロゴマークと、「MADE IN JAPAN」の文字が、
底面に打刻されているように凹んでいます。文字の周囲は完全な平面なので、ロゴや文字を打ったというよりは、この型に溶かしたチタンを流し込んだのでしょう。
シルクスクリーンのメーカーロゴとは違って、こちらは、まず剥げたり消えたりすることは考えられません。
若干失礼な話ですが、例えスノーピークが倒産しようが、
このチタンスキットルがスキットルである限り、チタン製で日本製であることは誇示し続けるわけです。つまり、外国の方にプレゼントするにもうってつけです。
なお底面は、ほぼ真っ平らです。それでも、
しっかり直立して、ガタつきはありません。
スキットルというより容器としての基本ですが、やはりしっかりしています。
ついでに
スノーピークの商品は、もちろんチタンスキットルも、意外と知られていませんが、『永久保障』です。
どんなに長く使い込んでいても、製造上の欠陥で生じたものなら、無償で修理してくれます。
技術力の高さの証であるMADE IN JAPAN。そしてチタン製。
一生の相棒というのに相応しい酒瓶を、あなたもいかがですか。
あと、正に蛇足ですが、私の飲んでいる、チタンスキットルに入れて持っていく洋酒を紹介します。
『
ウシュクベ リザーブ』です。売っているところを探すのが大変。福島駅の酒屋で出会ってから、ウイスキーはずっとこれだけ。
所謂シングルモルトではなく、
ブレンデッド スコッチウイスキーです。味に対するコストパフォーマンスは最高だと思います。
特にビンごと冷凍庫に入れて、さらにオンザロックで飲むのがオススメです。氷の表面を波立って落ちていくオイリー加減は感涙モノです。3,000円くらい。
◆参照・引用(五十音順)
・スノーピーク オフィシャルウェブサイト
http://www.snowpeak.co.jp/index.html
・スノーピーク ユーザーサービス課
〒955-8616 新潟県三条市三貫地958 TEL : 0256-38-1110
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